Service Design Night(DAY2)に参加して
Service Design NightのDAY2のことについて書きます。
この日は13:00〜18:00までの長丁場で、Xデザイン研究所の浅野さんをゲスト講師に迎え、途中からはワークショップのような形を取りながら「企業のゲームチェンジとサービスデザイン」について学びました。浅野さんは森田先生の師匠らしく、話の内容も以前に森田先生から聞いたことがあることも多く、自分の中で振り返りしながら話を聞きました。また浅野さんの話を企業に呼んで聞いたりするとめちゃくちゃ高額らしく、そのような人の話を無料で聞けたのはとても貴重でした。話も面白く、学びもたくさんありました。このことはSNSには書くなよと言われたことも多かったので、気をつけながら文を書いていきます(笑)
DAY2
印象に残ったことを書いていきます
・ビジネス視点とユーザー視点
この話は、PEACEのプロジェクトの時に森田先生に言われた話です。ユーザー視点(ユーザー体験)ばかり考えてしまうあまり、ビジネス視点からかけ離れていて全然求めてるものになってない。という話です。インサイドにあるビジネス視点(ブランド体験、ビジョン、戦略)を考えないと論点がズレたものが出来上がったりします。また、ユーザー視点を考えるときには、顧客の利用シーンの変化なんかも考えるといいです。
顧客の利用シーン…。なんかプロジェクトの時に考えれそうだ。。
・You must unlearn what you have learned (覚えたことを全て忘れることが必要だ)
新しいことを始めるには、前のを全て忘れることが必要らしいです。
浅野さんも実際にスノボを始めた時、最初の頃は自身のスキーの経験からスノボのことをスキーに例えながら考えてたそうです。でも一向に上手くならず、インストラクターにスキーのことは忘れてくださいと言われ、そのようにしたらスノボが上達したそうです。
例えば柔道なんかでも、必殺技を捨てると成長するらしいです。
また、何かを始める時には20時間かけろ!と言われました。何事も20時間やってみないとわからないらしいです。スキーを始める時も1泊2日の人は二度と来ないらしくて、2泊3日の人はまた来るんだそうです。たしかに僕は高校の修学旅行でスキーをしたんですけど、スキー合宿は2泊3日で初日は全然上手くいかないし、レベルも超初歩でつまんなかったんですけど、2日目は滑れるようになって自由に滑らせてくれたので楽しかったです。
何かを始める時は20時間!
・スキル=知識・技術+判断
よくスキルって言葉を聞くと技術だと思いますけど、スキルには判断も入ります。その判断に必要な点があり、
1常に好奇心と問い
2人を見る(サービスとは何か)
3常にゴールを意識する(本当にそのゴールで合ってるのか)
などです。特に3番を間違えると判断を間違えやすいです。あるオーディオメーカーで新商品を考える時に、若者は高音質を求めていると決めつけて、高級オーディオを作ろう!となったらしいんですが、それはゴールが間違っていたということがあったらしいです。だから常にゴールを意識するのが大事です
・概念化
サービスを作る上で大事なのは概念化です。
サービスを作る手順は、
1、具体的な体験←たくさん体験して経験に昇華する
2、省察
3、概念化←他の状況にも転移できるように一般化する
4、試行
です。例を出します。
1、納屋に火がついて豚が焼け死んだ。そして豚を食べたら美味しかった。
2、豚が美味しかったのは燻製されたから美味しかったんじゃないのか
3、燻製できる機会を作ってみたらどうか(常に食べられるにはどうすればいいか)
4、試行
という形です。概念化ができるかどうかでプロダクトやサービスが生まれるんかなと思いました。
・何事も人に依存する
これは文字通りで、ケータイのアプリだってみんな中身違いますよね?たまに浅野さんに、「どのサービスが1番良かったですか?」と聞く人がいるそうですが、そういう人はバカだと仰ってました。「ラーメンどこが美味しい?」って若い人に聞くとたいてい不味かったりするらしくて、人によってどう捉えるかやどう考えるかは違うと考えるのが、サービスを考えるのに大前提ですね。
・人間の美意識
「人間の美意識→これ以下はやだ」がベースにあるそうです。だいたいクローゼットにも似たような服が入ってるやろと浅野さんが仰ってたんですが、確かにそうで僕もクローゼットには似たような服が多かったりします。また福岡はどこに行ってもご飯が美味しいのは、福岡人の基準が高いからというのがあるそうです。人間の美意識は気づかないうちに「これ以下はやだ」になってたんやと考えると面白いな〜と思いました。
・企業のゲームチェンジ(デジタルトランスフォーメーション)
いまどの企業もゲームチェンジをしてきています。トヨタだって車だけではなくなってきてるし、TSUTAYAもただのレンタルビデオ店ではない(六本松のTSUTAYA)。全ての企業がIT化をベースにゲームチェンジしてきているのだ。また全ての企業はIT化しないとヤバいらしく、古い企業はIT化の波に飲まれてしまうらしい。いまや、全てがオンライン化されている時代である。香港のデモでは学生たちがICカードだと行動履歴が残ってしまうから切符を買うまでである。
またIT化が一般化すると、優位性はデータを保有する側に移る。
・人の幸福って?
人の幸福って何なんだろうか。一見、便利なことが幸福だとサービスデザインを考える上でそう考えてしまうが、これは違う。例えば、カメラを翳せば宿題の答えが全て表示されるサービスがあったとしよう(宿題代行サービス)。確かにこれは便利だが自分の子どもにそれをさせる親は少ないだろう。それは幸福ではないからだ。
では、幸福とは何か。それは違う世界に連れて行くことである。ライザップなんかがそうである。確かに違う世界に連れて行くって幸せやなぁ。僕も最近筋トレが好きでやっているのだが、身体が変わっていくのが嬉しくてやっている面もある。便利なことは幸せじゃなくて、違う世界に連れていくことが幸せなのかもしれない。このサービスを使ったら、違う世界に連れて行きますよってサービス、ライザップ以外なにかあるかな。。
・イノベーションへの勘違い
1、既存の作業を効率化したり便利にすることではない(経験)
2、今までできなかったことをできるようにすることである(変革)
例を出すと、電気炊飯器・電気掃除機・電気洗濯機の登場は家事を楽にしたのではなく、女性の社会進出を後押しした。
スマートフォンの登場はコミュニケーションを効率化したのではなく、デジタルデバイド(無知)による貧富の格差を無くした。
これがイノベーションである。先ほど述べた便利なことが幸せじゃない、新しい世界に連れていくことが幸せなんだっというのに似てますね。イノベーションされた優れたサービス・プロダクトは幸福を与えるのかも。
・ビッグデータは全部信頼できるわけじゃない
何事もオンライン化されてデータが集められていると言いましたが、そのビッグデータは全部信頼できるわけじゃないというお話です。
ある男性がコンビニに行っておにぎりを買うとします。その男性がコンビニに行くと、食べたいおにぎりがほとんど売り切れてて仕方なく残ってた昆布おにぎりを買いました。翌日コンビニに行くとまた昆布おにぎりしかなくて仕方なくまた昆布おにぎりを買いました。そしてその翌日にコンビニに行ったらまた同じ状況で昆布おにぎりを仕方なく買いました。
この男性は仕方なく昆布おにぎりを買っているのに、データ上ではこの男性は昆布おにぎりばかり買う人というデータになります。そのデータを見たら、昆布おにぎり人気やから昆布おにぎりをたくさん入荷しようという動きになるかもしれません。
だから、ビッグデータは全部信頼できるわけじゃないのです。ビッグデータではわからない部分を補うためという点でもエスノグラフィクリサーチは必要なんじゃないかなと思います。
・人によって捉え方が違う言葉は使っちゃダメ!
これは後々のグループディスカッションでの発表で実際に感じるんですが、自分たちがこう捉えてた言葉が相手は違う捉え方をしてたりすることが多々あります。アップデートという言葉1つ捉えても、人によって捉え方が違ったりします。
・デジタルジレンマ
デジタルの世界(例えばアマゾン・楽天など)は知らないものと出会えません。自分が知らないものを得られないそれがデジタルジレンマです。例えばアマゾンや楽天なんかでも、一度検索するとそれに関連するものばかり表示されますよね。YouTubeなんかのあなたへのおすすめなんかもそうですね。その環境だと自分が知らないものを得られません。
逆にアナログの世界(実際に店舗に向かう)だと色々商品を見渡してるうちに買おうと思ってもなかったモノにビビっときたりして買っちゃうことありますよね。ジャケ買いとかもそうです。
「自分の知らないものを得る」これはアナログで起こる可能性がありますが、デジタルでは起こりませんね。ここに、何かビジネスチャンス的なものがありそうですね。
グループワーク
浅野さんのお話を聞いた後に参加者を4つに分けてグループワークを行いました。私は「エスノグラフィクリサーチ」のグループに入りました。グループのメンバーは同じゼミ生の塔村さんと社会人の方との3人グループでした。
初めは「エスノグラフィクリサーチって何?」という状況からだったのですが、話していくうちに観察のようなものという事がわかり、去年のミズノのプロジェクトの経験をもとに話していきました。
「エスノグラフィクリサーチとは?」という題名にまとめて発表しました。
エスノグラフィクリサーチはビッグデータやITじゃわからない部分つまり本質を見出すものだと考えました。先ほど上で述べたようにビッグデータは完璧じゃありませんからね。
「売り上げデータX観察データがあればもっといい提案ができるよね。」って思った去年のミズノのプロジェクトがここでも生きてきました。
そして私たちはエスノグラフィクリサーチをする点でのポイントを発表したのですが、「仮説を立てること」と言いました。すると、フィードバックの時に浅野さんが「エスノグラフィクリサーチをする時は仮説を立ててはいけない。だって例えばお医者さんに診てもらう時にお医者さんがちゃんと診る前に、あ〜これはたぶん〇〇やね〜とか看護師さんがこれは〇〇(症状)ですね〜って診断はしちゃダメやろ?だから仮説は立てちゃいけないんだ」と言われました。確かに森田先生にも観察の時に仮説は立ててはいけないって言われてたなと思い出しました。
でも私たちが言いたかった仮説はそういう意味ではなかったのです。どちらかというと「何か意味を持って見る」といった感じです。この認識の違いでは、先ほど上で述べた人によって捉え方が違う言葉を使っちゃダメという話を身をもって思いました。
おわりに
今回二日間Service Design Nightに参加してたくさん学べたし、貴重な話を聞けて良かったです。やはり自分はこういった業界に興味あるなと思いました。